ふた月まとめて「100分で名著」

今月の「伊勢物語」は、興味深いというか、目が覚めたというか。

伊勢物語の歌を聞いていたのとほぼ同時期、思った事があった。

先月から遊び始めた「イケメン戦国」というスマホゲームで、私は500年後の未来からタイムスリップして多くの戦国武将と知り合った。政宗の前に現れ、そこでどういうご縁か恋に落ちて、一緒に戦って、泣いて笑って・・・

ゲームで戦国時代を生きている中で、政宗が言った言葉がしみたんだよね。まんまは書けないのでニュアンスで伝えると、500年前も後も、愛だの恋だので男女はいつだって心が動いてて、そういうことに振り回されながら生きてるんだなって言ったの。

文化や様式がどんなに変わっていっても、男女が愛し合う世界って変わらない。きっとこの先もそうなのだろう。不思議だけど、それが男女なんだろうね。

で、伊勢物語のいくつかの歌、特に今まで学校で習ったはずなのに、頭に入っていなかった有名な歌「ちはやふる かみよもきかず たつたかわ からくれないに みづくくるとは」の意味を知って、なんて深い愛なんだろうと感動した。

在原業平天皇の直系だったのに、その力は何も授けてもらえなかったやるせなさを、愛を歌う事で治めたのかな。女性を大切にしていたり、人間力が高かった様子も知る事が出来た。「みやび」の世界は、言葉でだけ知っていた世界を今回あらためて学び、その本質を垣間見た気がした。

現代訳で(古文読めないし)もっと伊勢物語を読みたい。来年早々にでも本をゲットしよう。

そして先月は谷崎潤一郎の濃い4週間だったっけ。たしか30過ぎた頃くらいにやっと読んだような方だった。公然エロスという印象だったけど、それは私が単におこちゃまだったからなんだろうね。

普段から私は「私、変態だから」とか言う場面がある。でも、その本当の意味を理解している人は多分相当少ないはず。言葉尻だけで「へぇ、アブノーマルなんだ」みたいな、実に薄っぺらい解釈をされるから、そこは面倒だし説明して反芻してもらう時間もかかるから、特に否定もしないようにしてるけど。

谷崎作品を読んで受け入れられる人は(ここでは主に男性)、番組の中でも言っていたように、「男尊女卑教の敗北」を理解できる人だよね。そういう殿方は、私が知り合った中でも片手で足りるほどしかいないけど。

別に女性をリスペクトしろとか思ってない。ただ、多くの男性は勘違いしているし、どんなに男女平等を謳っても、それは無理な話なのを忘れてるとは思う。

谷崎作品は単にエロい場面の描写だけとか、単に女性へのあくなき好奇心や情欲についてだけを語るだけでは足りない。谷崎作品は人の本質突いている所が多く、多くの人が隠してしまう所を表現してるだけなんだ。

戦時中という背景を知った上で、数々の作品を思うと、当時は時代に逆らう異端者と思われていたのかもしれない。

今回あらためて思ったのは、五感を想像するような書き方する小説家って、いそうでいなかったなって事だった。文字で表現できることは限られていると思っていたので、光景を想像できる表現力にしびれた。

もちろん私の想像力が追いつけているから、というのもあるので、読み取れる力があって良かったとも思った。文学作品もたまにはいいな。時々読み返してみようと思った。

来月はディスタンクシオンだって。嬉しい。めちゃ楽しみ~~~~♪