[*[読んだ本] ]生きがいについて〜神谷美恵子コレクション〜

今月のEテレ「100分で名著」は、表題の本「生きがいについて」だった。初回を見た後ですぐ本を買った。今週で番組は終わり、本は全部読めずに時が経ち、もう今月が終わっちゃう(T_T)



「生きがい」という言葉が、昔流行語になった事があったそうだ。何かに対して生きる意味や価値を見いだすことを生きがいというけれど、実際にそれを意識して生きている人はどのくらいいるのか。それがわからないとか、生きがいがない人は、生きている意味がわからなくて、ただ時間をつぶすように生きているか、狭くて浅い世界で生きるしかないのかもしれない。
生きがいを見つけた人とは、いったいどういう人なのか。本ではその答えを明確に教えてくれる。そして私が本を買うほど興味がわいたのは、自分自身が生きがいを見つけていないというよりも、生きがいを誰かに与えるとか、これから見つけていく手助けができるか、という視点だった。またこういう気持ちもあった。どん底から上がって生きがいを見いだした人の思考が知りたかったという気持ちだ。

現代社会で、何の不自由もなく生きている人達が多い中、その分色々な事が希薄になっていることにも気づいていないように見える。
人間として生まれた事を、当たり前だと思っていた昔の私は、ある時から考え方が変わった。普段は適当にしている事が多い私だけど、何度も生きているのが辛いと思う甘ちゃんだ。何年か前の転機には、本当にこの世にいなくてもいいのではないかと思ってた。でも今は、この作者のように、果てしなく広くて美しい心がもてたら、いつ死んでも悔いはないのではないかと思う。

今週月曜の最終話では、不覚にも涙が出た。人より感受性強いのもそうだけど、神谷さんのような人が、その思いが、世の中に広がり切っていないから、悲しいことばかりが起きているように感じたからだ。
疲れている人、疲れていない人、生きがいが見つけられない人、本気で生きがいを見つけたい人は、読むべきだと思う。
生きがいある人生を送っている人は、周りの人にその素晴らしさを教えてあげてほしい。人間である事に流されてはいけないって思う。


生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)