[*[好きな音楽] ]SMAPというブランド

色々な情報が交差し、何が本当の事なのか結局わからなかったし、これからもわからないのだろうけど、本質的な事は見失っちゃいけないよね。

売り出すための商品は、商品そのものだけで輝くにはある程度限界はある。ずっと輝き続け、売れ続けなくてはいけないのなら、裏でその輝きをくすませないように必死で動く人たちがいる。
色々な事を犠牲にして、色々な思いを持って、ただ1つの商品の輝きをずっと美しく提供し続けるための努力は計りしれない。成功をするために・・・SMAPが多くの人から受け入れてもらえるようになるために。
そして商品自身も、いつからか意思を持つようになってくる。1つのブランドである「SMAP」という商品のために、個々の商品は強い意志を持って、これまた素人には計り知れない大きなものを背負っているという意識のもとで労働してきたのだろう。どんなに苦しくても、どんなに笑顔を作れない日があったとしても。

いつどうやってこのバランスが崩れたのかは知らないけれど、非難されるのは商品でもテレビ局でも媒体でもないと私は思う。商品には罪はなく、商品管理をしている企業が、そのトップが、裏方の人間たちが、すべての責任を負うのが日本の企業では当たり前なことになっていると思うから。

これだけ長い間会社に貢献してきた商品を、こんな形で終わりにするなんて、一般企業であればブラックもブラック、どす黒いしょうもない企業としてあっという間に有名になれるだろうに。

芸能界という世界に、ほんの少しだけ足を突っ込んだことのある私にとって、世間の人たちの好奇の目にいつもさらされ続ける事の辛さとか苦悩は、ほんの少しだけわかっている。そして、その世界を見て、実際には様々な工作の後での世間への情報開示がされている事を知り、真実が語られることがほとんどない事を知った時から、ゴシップネタが嫌いになった。
立場とか肩書は違っても、皆同じなのよ。同じ人間だから苦しかったり悲しかったり、色々な感情の中で動いて生きているのに、どこかでそれらを忘れてしまったかのように、それぞれが動き出してしまう。環境が違ってもこういうのってどこも変わらないなって思う。

お金とか世間の目とか、本来の「夢を売る仕事」という肝心な所がすっかり抜けてしまったかのように、踊らされてしまったこのところの商品達。かわいそうだった。

これから長い一週間が始まるという月曜の夜、アイドルがお茶の間を笑わせる為に頑張ってきたたくさんのこと、けして上手で泣けるとはいえなかった歌唱力だって、それが彼らの魅力にもなっていたかと思える。
誰かを貶める事や、悲しくなるような事はなく、バラエティ番組の中の主役として20年以上頑張ってきたパイオニアの存在だった。

私は特にSMAPの大ファンというわけではなかったけれど、メンバー個々については結構観察していた。国民的アイドルとして生きていく事など、普通に生活をしていたらありえない事。そのありえない、ごくごく選ばれたほんの一握りの人にしか体感のできない事を日常にしている人たちには、言い換えるとこの日常しかなかったのだ。幼いうちからとても特殊な世界でしか過ごさなかった人のこの先の人生を、責任持ってくれる人は誰もいない。

疲れ切って、何もかもどうでもいいっていう気持ちなのだとしたら、今は誰が何を言っても、何をしようとしても、すべてがうまくいかないかもしれない。
28年同じ仕事をし続ける事の大変さは、大人ならわかる人も多いだろう。今はその頑張りには拍手を送りたい。
これだけ世の中に色々な意味で貢献した人たちを、しっかり称えずに商品販売終了を納得できる形で発表しない企業は、もっと世間から責められても良いと思う。みんな、怒りの矛先を間違えちゃいけないよ。ほんとに。

私は先に死んじゃうだろうから先の事はわからないけど、個々で活動をするであろうSMAPのメンバーたちが、これからも輝けるなら、本当に自分たちがしたい事が見つけられるなら、それでいいと思う。それはタレントとしてという前に、一人の人間として、生きていけるなら、という意味で。

さてさて、2016年終わりの週、やり残しのないようにしていきましょっと。