[*[好きな音楽] ]映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観た

別館を更新しました。

昨日、早朝から映画を観てきたですよ。上映が決定してから、11月になるまで待ち遠しかった。
あ、多少ねたバレなので、見たくない人のために、少し改行しましょうかね〜






















このくらいでいいかな。

クイーンというと、私は高校生の頃に知ったと思う。フレディ・マーキュリーのソロ「I was born to love you」が出た時、家にステレオ含レコードを聴くための機材がなかった私は、当時貸しレコード店で働いていた従姉にお願いをして、テープに録ってもらった。しかも、いつも生意気にメモを作って、A面1曲目から曲順までお願いしてて、この曲はA面の最初に絶対入れてくれってお願いをした。
それはもちろん曲が好きだからってのもあるけど、この曲を最初に聴くことにこだわってた。高揚感溢れる音とか、フレディの気持ちいい伸びやかなボーカル、わかりやすい歌詞でとっつきやすかったとか、そういう感じだったのかな。
そして、TVKの音楽番組を洋・邦問わず聞いていたころを思い出す。いい音楽であふれてた時代だったもんね。
クイーンの音楽は、実は後から好きになっていったという感じで、当時は個性が強かったことは覚えてるけど、他の音楽に目を向けていたし、今ほど間口が広くなかったからなぁ。
クイーンの音楽って、フレディ・マーキュリーみたいな個性の塊みたいな人に、抒情的とかシアトリカルな音作りとかっていう比喩はあってるよね。
今回映画を観て、多少史実と異なるようだけど、クイーン結成からミュージックシーンの頂点に立つまでを、ダイジェストで駆け抜けていくスピードはすごかった。だいぶいろいろかいつまんでたような。でも、知らなかったこともたくさんあった。
こういう偉人を実録で映画化するのって、今に始まったことじゃないし、いくつかそういう映画を観てきた。直近だとフランキー・ヴァリーがそうだったっけ。あの時も観ながら大興奮したけど、今回もそうだった。
ラミ・マレックの役作りの努力の跡は、映画を観ていると本当によく分かった。実在の人物じゃなくても、役者は、与えられた役に成りきる事が要求されるし、そうでないと見ている人の心は動かせない。
オープニングから、すっかりラミのフレディに魅せられた。途中から他のメンバーの激似ぶりもあって、本物のクイーンを見ているような気になってた。ライブ・エイドのシーンは、前宣伝をはるかに超えるような再現ぶりで、見ごたえがあったし、ここまで良く忠実に再現したなぁって感心した。あの映像は本当にすごい。日本でも大物と言われるミュージシャンは何人もいるし、動員数もすごいけど、桁が違うね。ウエンブリーがすごいってのもあるよなぁ。
あ、でも、若いころのフレディの時のラミは、ちょっとミックが入ってた感じ。というか、ストーンズにあこがれてた感じがあったから、それはそれであえて似せていたのかな?
そうそう、ライブ・エイドって、当時本当に話題になったよね。今でも覚えてる。それに、Youtubeのおかげで、映像が残ってて、本当にありがたい。映画を観てから、本物のライブ映像を見ると、いかに忠実に再現したかってのがわかって、ただただ感心するばかり。
フレディだけが似ていてもしょうがないとはわかってるけど、他のメンバーも本当に良く研究して、本物にかなり近づけたなぁって感心。ブライアン・メイチョーキングなんて、もう本当に似てるのよ。ライブのシーンを観ていて違和感がないままナチュラルに受け入れてる状況って、実はすごいことなのよ!

フレディ・マーキュリーについて、当時エイズで死んだ時は、率直に「おイタが過ぎてしまったのね」程度しか思えなかった。もったいない、まだまだシンガーとして頑張れたのに、って、思ってた。
今の年齢になったからわかることが多い中、今回映画を観ながら彼の生きざまに触れ、あらためて作品を聴いていくと、この人の孤独が痛いくらいわかった。だからこそ、劇中に出てきた歌の歌詞がより沁みてきてしまった。だって、今まで「伝説のチャンピオン」を聴いて、泣いたことなんてなかったもん。
アルコール漬けやドラッグ、乱交、そういう単語だけだと、どうしようもない人のどうしようもない逃げ道に思うけれど、一時的な快楽で心の隙間を埋めていた、ってことにはなるけれど、フレディが本当に欲しかったのはそんなのじゃなかった。
皮肉にも、アーティストは骨身を削って、苦しみぬいて作った作品が高く評価されてしまう事がある。本人は苦しんで生み出したものが、受け入れられて大衆のものになってしまう。名声やお金は得たとしても、フレディが本当に欲しかったものは、晩年まで手に入らなかったようだった。
ソウルメイトのように、フレディと別れてからも親交が続いた元妻(といっていいのかな)のメアリーの苦しみも、観ていて痛かった。この二人は、本当は心ではお互いを必要としていたのに・・・せつなかった。

フレディ、伝記で終わるにはもったいない。それにクイーンを知らない人に観て欲しいなぁ。音楽をやりたいって思う若人に、魂まで揺さぶられるような音楽を作るって、こういうことなんだって、何か感じてほしい。
お世辞にもフレディの生き方は見本とは言えないけれど、本当は人見知りで、でも、何万人の人を前にして時々大胆になってしまう不思議な魅力は、誰でもできることじゃないでしょう。
平成最後の年に、素晴らしい映画に出会えて本当によかった。観終わってからの例えられないくらいの思いを、ぜひ他の人にも感じてほしい。



Queen   Live at LIVE AID 1985/07/13